【絶対知るべき】マンションを売却する時に税金はかかりますか?
1.譲渡所得税
1-1譲渡所得税とは?
1-2譲渡所得税がかかるケース
1-3譲渡所得税がかからないケース
1-4譲渡所得税額の計算方法は?
1-5節税する方法
1-6税金はいつ払うの?
2.印紙税
2-1印紙税とは?
2-2いつ払うの?
2-3印紙税を節税する方法
3.抵当権抹消登記の登録免許税
3-1登録免許税とは?
3-2いつ払うの?
3-3抵当権抹消については通常、司法書士にお願いすることが多い
譲渡所得税
譲渡所得税とは?
譲渡所得税とは、マンションをはじめとする不動産を譲渡(≒他人に売却)した場合にかかることがある税金です。自分が持っているマンションを売却して別の不動産を買う場合などに、売却価格がそのまま手元に残るとは限らないことがわかります。不動産売買資金について資金繰りを考える際には、譲渡所得税をきちんと考慮に入れておきましょう。
また、譲渡所得税は他の税金と同様、きちんと納めないと税金逃れをしたとして罰せられてしまいます。どのような場合に譲渡所得税がかかるのかや、いくら支払うべきなのかなどをしっかり把握しておきましょう。
譲渡所得税がかかるケース
譲渡所得税がかかるケースは、不動産の取得価格より売却価格のほうが高い場合です。不動産の売買によって利益を得た形になるので、税金が課せられるのです。
とはいえ、1円でも売却価格のほうが高ければ譲渡所得税がかかるというわけではありません。なぜなら、譲渡所得税に関しては、各種の控除があるからです。これらの控除を適用したあとでもプラスの金額になるなら、譲渡所得税が課税されます。
では、譲渡所得税が課税されるケースを見てみましょう。一般的なケースとしては、売買用や賃貸用の不動産価格が大幅に上昇した場合が挙げられます。このケースでは、受けられる控除が少ない、あるいはゼロとなる可能性が高いです。したがって、売却時には譲渡所得税を払う必要があると想定しておきましょう。もっとも大幅値上がりした不動産を持っているなら、売却価格が大きいほか、賃貸事業などを行っていたなら多くの賃料収入を得られていたはずです。手に入れた利益の中から、きっちりと税金を支払いましょう。
譲渡所得税がかからないケース
譲渡所得税がかからないケースとしては、不動産の売却価格が取得価格より低い場合が挙げられます。マンションを長期間保有していると、建物の経年劣化や立地環境の変化などにより、価格が下落することがあります。せっかく買った不動産の価格が下落したのは残念ですが、譲渡所得税は払わずに済みますね。
また、リフォームなどに多額の費用をかけた場合も、譲渡所得税がかからなくなることがあります。というのも、不動産の取得価格には、取得後に行った改良にかかった費用も加算されるからです。これは、リフォームなどが不動産の価値を高めるために行われたと考えられるためです。譲渡所得税を払わなければならないのでは、という状況になった場合、リフォームの実績などがないか見直してみましょう。高額のリフォームをしていたケースだと、一気に譲渡所得税がゼロになる可能性もありますよ。払わなくてよい税金を払ってしまうと損ですから、しっかり確認してくださいね。
さらに、各種の控除を適用すれば、譲渡所得税の課税額がゼロになることがありますよ。自分が住むための不動産を売却した場合には3,000万円の控除が受けられます。また、農地を整理するための売却なら800万円など、複数の控除が設けられています。控除額が大きいものがあるので、適用の可否によって譲渡所得税額や支払いの必要性が大きく変わります。かならず丁寧に各項目をチェックしましょう。
譲渡所得税額の計算方法は?
控除の適用を行っても、残念ながら譲渡所得税がかかるとわかってしまった。そんなときは、譲渡所得税額を計算する必要があります。そこで、ここでは譲渡所得税額の計算方法を把握してしまいましょう。
まず、譲渡所得額を計算します。譲渡所得額は、譲渡する金額から、取得や譲渡にかかった金額、および特別控除額を差し引いて求めます。
次に、長期譲渡所得と短期譲渡所得のいずれに当たるかを判断します。この判断基準は簡単です。譲渡する年の1月1日において、所有期間が5年以下なら短期譲渡所得、所有期間が5年より長ければ長期譲渡所得に分類します。分類に用いられるタイミングが1月1日である点には注意しましょう。
最後に、長期譲渡所得なら20%、短期譲渡所得なら39%の税率をかけます。税率をかけ終えた後の金額が、課税所得税額です。
節税する方法
譲渡所得税がかかる場合でも、節税できるケースがあります。どのようなケースで税金が軽減されるのかを見てみましょう。
軽減されるのは、マイホームを売却した場合です。この場合、3,000万円の特別控除が受けられることはもうお分かりですよね。これに加えて、税率が低くなる可能性があるのです。
【関連】
税率が低くなるための条件としては、売却年の1月1日において、10年より長く家屋や土地に住んでいたことがあります。長い間住んでいた家を売却し、大きな売却収入が得られた場合は適用されないかチェックしてみましょう。
10年より長く住んでいた場合、軽減措置がなければ長期譲渡所得税率の20%が適用されます。いっぽう、軽減措置の適用を受ければ、6,000万円以下の長期譲渡所得については軽減税率10%が適用されます。税率が半分になってしまうので、節税額の大きさにも期待できるのではないでしょうか。6,000万円を超える長期譲渡所得がある場合でも、600万円+「6,000万円を超える部分の15%」が税額となります。さすがに所得額が多い分、軽減される率は下がります。それでも軽減措置がない場合と比べると5%以上の節約になります。
税金はいつ払うの?
譲渡所得税は、確定申告の際に申告して税金を支払います。譲渡所得税は申告分離課税の対象です。したがって、確定申告の際には他の所得とは別々に税額を計算します。事業所得などの高低とは無関係に譲渡所得税の税率が決まるのです。
税金の支払いタイミングとしては、確定申告を行ってからとなります。確定申告を行うべきタイミングは、譲渡所得が発生した年度の確定申告時です。ある年の12月に売却した場合は、翌年2月~3月にやってくる確定申告の時期に申告して納税してください。1月に売却した場合など、確定申告の時期と売却時期が離れている場合、申告漏れになりやすいです。他の所得に気をとられて譲渡所得税の申告を忘れないように注意しましょう。
印紙税
印紙税とは?
印紙税とは、課税文書を発行する際にかかる税金です。課税文書とは、課税金額などを示す書類のことです。したがって、マンションを売却して譲渡所得税が課税される場合には、課税文書の発行があることがわかります。
つまり、譲渡所得税が課税されるケースでは、印紙税が発生することになります。国が適切な課税手続きを行うための手数料の意味合いで、印紙税が徴収されるのです。印紙税も譲渡所得税と同様に、きちんと支払わないとペナルティが課せられます。きちんと支払うべき金額を支払ってくださいね。
いつ払うの?
印紙税は、収入印紙を課税文書に貼る形で支払います。したがって、課税文書を発行するタイミングが支払のタイミングとなります。
譲渡所得税であれば、確定申告のときに申告する必要がありました。いっぽう印紙税については確定申告の必要性がありません。したがって、支払うのを忘れにくいといえるかもしれませんね。ただ、譲渡所得税よりも支払いタイミングが速いので、支払うべき税金があることを意識して、必要な収入印紙を準備しましょう。
印紙税を節税する方法
課税文書に貼らなくてはならない収入印紙ですが、貼る枚数を減らして節税できないのでしょうか。実は、同じ契約書を複数作成する場合、印紙税を節約することができるのです。
契約書を作成する際、内容を契約者それぞれが確認できるようにするため、同内容の文書を2部以上作成することがあります。このケースでは、発行される文書が2部であれば、収入印紙も2枚必要となるのが基本です。しかし、1部にのみ収入印紙を貼付し、もう1部はコピーで済ませる方法であれば、収入印紙は1枚で済みます。どちらかがコピー契約書を持っておくだけで問題ないと考えている場合は、収入印紙の枚数を節約しましょう。
抵当権抹消登記の登録免許税
登録免許税とは?
登録免許税とは、土地や建物の登記をする際にかかる税金です。土地や建物を購入した際には、所有権を明確にするため、登記手続きを行います。この手続きの際に登録免許税がかかってしまうのです。また、抵当権を抹消してもらう際にも登録免許税が発生します。抵当権とは、貸し出した住宅ローンなどが回収できなくなった場合に備え、優先的に債権を回収できるよう不動産を担保とする権利です。住宅ローン借り入れの際には抵当権が設定されるのが基本です。ローン完済後は自ら抹消しないと抵当権が消えないので注意してください。
マンションを売却し、新たな不動産を買った場合は、登録免許税の支払いもあると考えておきましょう。不動産売買の際には支払う税金の種類が多岐にわたります。1つずつ内容を理解しておき、スムーズに納税できるようにしましょう。
いつ払うの?
登記の際にかかる登録免許税ですが、いったいいつ払えばよいのでしょうか。
登録免許税は、登記や抵当権抹消を申請する書類を提出する前に支払う必要があります。というのも、書類に登録免許税の納付を証明する領収書を添付するからです。
納付手続きは、銀行や郵便局で行うことができます。不動産売却や購入の際にはお金の出し入れが多くなると考えられます。郵便局や銀行を訪れたついでに、登録免許税の納付も済ませてしまいましょう。
抵当権抹消については通常、司法書士にお願いすることが多い
登記申請や抵当権抹消手続きを司法書士に依頼している場合(一般的には依頼します)は、登録免許税の納付もあわせて司法書士が行ってくれます。したがって、司法書士に頼んでいる場合は、登録免許税の納付についてはあまり深く考えなくても良いといえます。
不動産売却の際には、さまざまな手続きに時間をとられてしまいます。忙しさのあまり必要以上に税金を払ったり、逆に税金を払い忘れてペナルティを課せられたりしないよう、必要に応じて司法書士に依頼しておくと安心です。抵当権抹消についても、司法書士に依頼しておけば手続きをしてもらえますよ。自分では手続きの内容を把握するくらいにとどめておくと、負担が少なくて済みます。
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