不動産会社によって得意な営業エリアがあるので、そこも考慮することが必要【売却体験インタビュー】
駅から遠い築25年のマンションを所有
ー「今回、吉本さんはマンションを売却されたということですが、まず、売却されたマンションについてお話し頂けますか?」
はい、マンションは中央線沿線で、駅から徒歩20分の3LDKのマンションでした。新築で購入して25年経っていました。
ー「駅から少し離れていたのですね。」
はい、駅からちょっと遠かったんですが、そのかわり、マンションの周囲にはまだ綠が残っていて、夏になるとマンションの網戸にセミが飛んできてジージー鳴くような所でした。子供が小さかった頃は、虫取り網を持って、子供と一緒に近所の公園に行ってセミ取りをしました。自然が残っていて、子供を育てるにはよい環境だったと思います。買い物も、比較的近所にスーパーが有りましたし、自転車でちょっと走ればホームセンターもありました。駅前にもお店があったんですが、飲食店が数軒と、小さな薬局だけでした。駅ビルが有ったんですが、小さな駅ビルだったんであまり買い物に行くことは無かったですね。そういうことで、通勤の時以外は、マンションが駅から遠いことで不便を感じることはありませんでした。
ー「駅から遠いけど、不便じゃ無かったのですね。でも、毎日の通勤は大変だったのじゃないですか?」
通勤は、雨の日以外は駅まで自転車でした。駅前に有料の駐輪場があって、そこに自転車を止めて電車に乗っていましたから、大変ではなかったですね。新宿まで30分かかりましたから、満員電車の方が苦痛でした。疲れて会社から帰ってきても、周囲に綠が残っているマンションは大変気持ちが落ち着く場所で、とても気に入っていました。
ー「マンションの周囲に綠が残っていて、よい場所だったのですね。」
はい、マンションを購入するときも、周囲に綠が残っているのが気に入って購入しました。近所の公園に行くと、ちゃんと水の出る井戸が残っていたりするんですよ。子供でなくても、なんかワクワクしません?新築でマンションもきれいでよかったんですが、周りの環境に引かれて購入したようなもんですね。
転勤が決まりマンションを売ることを決める
ー「マンションを気に入ってらっしゃったのですね。でも、売却されたのですよね?」
はい、急に転勤が決まりまして、地方に引っ越すことになったんです。住み慣れたマンションで、何より周りの環境が好きだったんで、売却するかどうか悩んだんですけどね。でも、転勤先から、東京に戻れるとも、戻れないとも分からなかったんです。すぐに戻ってこられるんだったら、絶対に売らないんですが、戻れるかどうか分からないんで、売却することにしました。すぐ東京に戻れるんだったら、単身赴任も考えたんですが、そうじゃなかったので、仕方有りませんでした。
ー「賃貸にして、人に貸すということはお考えにならなかったのですか?」
気に入っていたマンションだったんで、売却しないで済む方法はないかと、賃貸にするというのも、ちょっと考えたんですが、転勤先が遠いのでマンションの管理が出来ないだろうってことになったんです。それに、東京に戻れるかどうかも分からないのに、マンションだけ残しても、なにかと面倒だから、売ってしまおうということになったんです。
ネットで一括査定を申し込む
ー「マンションを売却されることになったわけですが、具体的にはどうされたのですか?」
はい、とりあえず不動産業者にマンションの査定を頼みました。ただ、どこに頼めばよいか分からなかったんで、インターネットで一括査定というのを申し込みました。7~8社ほどから査定の返事が有ったんですが、その中で一番査定額の高い会社に売却を頼むことにしました。
ー「インターネットで一括査定を申し込んで、一番査定が高い不動産会社に売却を頼んだのですね。」
はい、そうなんですが、それがそもそも間違いだったようで。
査定金額が一番高い不動産会社に仲介を依頼
ー「間違いですか?」
はい、査定が一番高かった不動産会社は、新宿の会社でした。中央線のマンションの売却だから、査定額も高いし、新宿の会社に頼めば間違いないだろうと思ったんですよ。でも違ったんですよ。後で分かったんですが、その不動産会社は新宿にあるんですけど、中央線より京王線の物件を主に扱っている不動産会社だったんです。
ー「仲介の契約をするときに気がつかなかったのですか?」
ええ、全く気がつきませんでした。仲介の契約をするとき、新宿の会社まで行ったんですが、いま思えば、その時にお店の様子とか、貼りだしてある物件とかよくみればよかったんですよね。そうすれば、中央線の物件が少ないって分かったと思うんですよ。
しかし、マンションが売れない日々が続く
ー「それでどうなりました?」
案の定、マンションは売れません。マンションの売却が決まっても、そのあと契約したり、決済したりしないといけないじゃないですか。そのために、転勤先からわざわざ戻ってくるのも大変だから、引き渡しを私たちの引っ越しに合わせてもらって、それ以外は引っ越しの前に全部済ませておきたかったんですよ。でも、ダメでした。中央線は扱う物件が少ないからか、販売に力を入れていないようで、内見の人すら来ないんです。全く売れる気配無しでした。
ー「不動産会社が、販売に力を入れてくれなかったのですね。」
ええ、販売に力を入れないというか、売る気が無いんじゃないかと思いました。そうこうしている間に、あっという間に2ヶ月が過ぎてしまいました。
ー「2ヶ月経っても売れなかった?」
はい、2ヶ月経っても売れませんでした。もう、転勤までには間に合いそうに無かったんですが、それでも早く売りたかったんで、仲介を頼んでいる新宿の不動産会社に頼んで、仲介の契約を解除してもらったんです。このまま、この不動産会社に頼んでいても、いつまで経っても売れる気がしなかったんで。不動産会社も、すぐに、はいとは言ってくれませんでしたが、内見も全然無いじゃないかと言ってやったら、渋々ですが仲介の契約を解除するって。
ー「仲介の契約を解除してもらったのですね。で、こんどはどこに仲介を頼まれたのですか?」
新宿の会社に頼んで失敗したので、今度は間違いないところに頼まなくちゃいけないと、不動産会社を色々探しました。今度は、中央線沿線で、出来ればマンションに近い不動産会社はないかと探しました。それだったら、間違いないだろうと。で、2つ隣の駅にある不動産会社を見つけたんですよ。一応、そこでもマンションを査定してもらって、新宿の不動産会社の査定よりは低かったんですが、そんなに大きく違うこともなかったんで、マンションの仲介を頼みました。
近くの不動産会社に変更すると売却が決まる
ー「今度は、中央線で近くの不動産会社に売却を頼まれて、どうでした?」
はい、3週間ほどで買いたいという人が見つかりました。契約やら、決済やらは、転勤までには間に合いませんでしたが、買い主が見つかりほっとしました。
ー「近くの不動産会社に頼んで正解でしたね。」
はい、あのまま新宿の不動産会社に頼んでいたら、いつになったら売れただろうかと。
営業エリアも考慮して業者を選ぶことが大切
ー「吉本さんは、今回マンションを売却したわけですが、こうした方が良かったなとかありますか?」
はい、インターネットの査定額だけで、仲介を頼む不動産会社を決めたのは失敗でしたね。新宿にある不動産会社だから、中央線のマンションも売却してくれると勝手に思い込んでしまいましたが、見当違いの不動産会社でした。不動産会社が物件を扱っているエリア、営業エリアをよく確認するべきだったと思います。最終的には、近所の不動産会社で比較的簡単に売れたので、やはり不動産会社の営業エリアというのを意識すべきだったと感じています。
ー「吉本さん、今日は貴重なお話しをありがとう御座いました。」
いえ、こちらこそありがとう御座いました。
注:こちらの売却体験談はスマート買取の体験談ではなく、マンション売買のご経験者にお伺いした内容です。
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