離婚をする時はマンションは売却した方が良いのか!?

離婚届

離婚をする時には養育費や慰謝料が発生するケースがあります。その際に、もしマンションを所有していてマンションを慰謝料や養育費の代わりにする場合には注意が必要です。結論から申し上げるとマンションは売却をしてしまった方が良いケースが多いです。

 

今回は「離婚時のマンションをどうするべきか?」を様々なシチュエーションでご紹介いたします。今回のケースは慰謝料や養育費を夫が妻に支払う時に、妻の立場から注意すべき事というケースで考えています。

 

 

目次
1.マンションのローン支払いを慰謝料代わりにするケース
2.連帯保証人になっているケース
3.マンションを共有名義にしているケース
3-1「支払いリスク」
3-2「売却時リスク」
4.賃貸に出すケース
4-1空室リスク
4-2家賃下落リスク
4-3一時金支払いリスク
5.離婚の際には売却をすすめる理由
6.売却方法について「仲介」か?「買取」?
6-1「仲介」について
6-2「買取」について
6-3状況に応じて使い分ける事が大切
7.まとめ

 

1.マンションのローン支払いを慰謝料代わりにするケース

まずは、マンションのローン支払いを慰謝料代わりにするケースです。つまり、夫名義のマンションを妻が慰謝料として譲り受ける形になります。この時のリスクは、夫がローンの支払いが出来なくなった時の「差押えリスク」があります。

 

「差押えリスク」とは、万が一、夫がローンの支払いが出来なくなり、何か月も金融機関への支払いが滞った場合には、金融機関がそのマンションを差押える場合があります。そうなると、金融機関は債務を補填するため、速やかに売却活動に入りますので、そのマンションに住んでいる場合には退去せざるを得なくなります。

 

従って、それらのリスクを防ぐためにもマンションを売却して現金化した後に慰謝料として支払う方が関係性の解消にも繋がりますし良いケースが多いです。但し、売却しても残債が残ってしまうケースなどはこの限りではありません。

2.連帯保証人になっているケース

つづいてローンを組む際に連帯保証人になっているケースです。例えばローンを組む際、夫だけでは支払い能力に不安がある場合に金融機関から連帯保証人を求められる場合があります。その時妻が連帯保証人になり、夫がローンを支払えなくなった場合にはその時に残っている債務を妻が全て負うという形です。

 

自分がそのマンションに住んでいるならまだ良いですが、マンションを売却せずに夫がそのままそのマンションに住み続けている時などは、夫が住むためのマンションのローンを妻が肩代わりしなければならないという事です。

 

離婚時に連帯保証人から外れれば良いとお考えの方もいると思いますが、離婚する時に連帯保証人から外れるのは難しく、他の人を保証人にしなければいけません。しかし、原則は親や配偶者などの身内でないと連帯保証人にならないので、連帯保証人として他の人を立てる事は難しいと言えます。

 

ご自身が連帯保証人になってしまい、更に夫がマンションに住み続けている場合には上述のリスクがあるのでマンションは売却した方が良いでしょう。

3.マンションを共有名義にしているケース

マンションを連帯債務者などで共有名義にしているケースは「支払リスク」と「売却時リスク」が発生します。

3-1「支払いリスク」

支払いリスクとは、マンション購入時のローンを組む時に連帯債務者(ペアローン)になっている場合に発生します。ペアローンとは、例えば5,000万円のローンを組む際に夫と妻で2,500万円ずつローンを組んでいると言う事です。基本的には夫も妻も2,500万円分の債務しか負いませんが、ペアローンは原則お互い連帯保証人になっているので、前項と同じく夫がローンを支払えなくなった場合には妻がその債務を負う事になります。当然逆の場合も同じです。

3-2「売却時リスク」

次に売却時リスクです。連帯債務者の場合には名義は共有になりますので自分一人でマンションを売却することは出来ません。実際にはマンションに住んでいなく、ローンの支払いだけを夫がしている場合にも、マンションの名義人になりますので様々な手続きに夫の協力が必要になってきます。当然夫が協力をしてくれなければマンション売却は困難になりますので、売却時のリスクがある点は理解しておきましょう。連帯債務者以外に、例えば夫が頭金を出し、妻がローンを組んでマンションを購入した場合でも、夫は頭金を出した分名義に入っていますのでその際も売却時には同様の事が発生します。

 

前項の連帯保証人でも言える事ですが、特に連帯債務者になっている場合には離婚しても関係性が完全に絶つことは出来ないという点が大きなデメリットです。

4.賃貸に出すケース

続いて、マンションを賃貸に出してその賃料を慰謝料や養育費にまわすケースです。このケースのリスクは「空室リスク」「家賃下落リスク」「一時金支払いリスク」が挙げられます。

4-1空室リスク

賃貸にまわしている場合は当然空室リスクがあります。例えば副業の投資用として、マンションを賃貸にまわしている場合にはまだ良いですが、離婚の慰謝料や養育費として賃貸に回している場合には話が違います。空室になり賃料収入が途絶えると、別途手持ち資金から慰謝料と養育費を支払う事になりますので金銭的に余裕がなければそれらの支払いが滞ってしまうリスクがあるのです。

4-2家賃下落リスク

マンションを賃貸にまわすと、景気の波や周辺環境によってどうしても家賃下落のリスクがあります。賃借人が付いている場合でも賃料が下がりますので、その下落幅が大きい場合や他の支払い状況によっては慰謝料や養育費が安定して支払えないケースがあります。マンション賃貸は投資用商品としては比較的安定して収入を得やすいですが、慰謝料、養育費の支払いという意味では不安定な分、向いていないかもしれません。

4-3一時金支払いリスク

マンションの賃貸は一時金を支払う事があります。例えば入退出時の修繕や、マンション全体の修繕維持積立金の一時金などです。予期せぬ一時金が発生して慰謝料や養育費が支払えないケースが発生する場合もありますので、注意が必要です。
あえては挙げませんでしたが、前項と同様ローンの支払いが滞ってしまう「債務不履行リスク」も勿論あります。

5.離婚の際には売却をすすめる理由

離婚をする時にマンションを売却しないという事は上述のようなリスクが発生します。特に離婚をした後も関係性が続き、例えばマンションを売却する時などは連絡を取る必要があります。金銭的にも予期せぬ支払いが発生するケースもあるので、離婚後違う生活をしている時にその生活が脅かされる事があるので、離婚時にはマンションは売却し、精神面でも金銭面でもすっきり関係性を絶つ方が良い事が多いです。

 

6.売却方法について「仲介」か?「買取」?

最後にマンションを売却する時の方法についてです。売却方法は大きく分けて「仲介」と「買取」の2つの方法があります。まずはそれぞれの売却方法をご説明した後、メリット等をご説明します。

6-1「仲介」について

まずは仲介についてです。仲介は通常の売却の事を指します。不動産会社を選定し、媒介契約を結び、チラシやインターネット上でマンションを売却する事を告知します。それらを見た検討者に実際家を見せ、価格の交渉をし契約に至る。という流れが仲介においての売却です。

 

メリットとしては、買取と比べると高い価格で売り易いという点が挙げられます。デメリットとしては売却期間が数か月かかってしまう場合があるという点と、購入検討者が現れる度に部屋を見せないといけないので、諸々煩わしい事が増えると言う点です。後は、広告活動をしなければいけないので周囲にマンションを売却している事が分かってしまうと言う点もデメリットと言えるでしょう。

6-2「買取」について

続いて買取についてです。買取とは、一般の方ではなく不動産会社が物件を買い取る事を指します。買い取った物件を時にはリフォームなどをして再度販売します。つまり不動産会社はマンションを転売する目的で購入すると言う事です。

 

買取のメリットは現金化が早いと言う点です。不動産会社ですので基本は現金で買います。そうなると諸々の手続きがなくなるので、売却者側の手続きさえ終えてしまえばすぐにでも現金が手元に入ると言う事です。離婚時には早く関係性を整理したいと思う方も多いと思いますので、迅速に売却できる点は大きなメリットです。更に、仲介の時とは違い、広告活動を行う必要がないので周囲に知られることなくマンションを売却出来ます

 

デメリットとしては仲介時に売却する時と比べて価格が落ちてしまう事です。平均すると70%~90%、場合によって60%程度まで価格は下落します。上述した通り、不動産会社はマンションを取得した後転売するので、安く購入しないと利益が出ないと言う事が価格下落の理由です。

 

6-3状況に応じて使い分ける事が大切

例えば、今後の養育費などが多額にかかり現金が多く必要な場合などは仲介が向いています。多少手間が増えますが数か月我慢して少しでも現金を多く貰う売却方法の方が今後のためには良いからです。一方、金額はある程度加味せずにとにかく早く関係性を絶ちたい場合には、時間をかけない買取の方が向いています。買取には即時買取をする方法以外に、売却期間を一定期間設けて、その期間でも売却出来なかった時に買取をする「買取保証」という方法もあります。
このようにご自身の置かれている状況に応じて使い分ける事が大切です。

7.まとめ

いかがでしたでしょうか。離婚時にマンションを慰謝料代わりにした時など「リスク」がお分かり頂けたかと思います。但し、必ずしも売却したほうが良いわけではありません。例えば、売却をしても残債が残ってしまう場合には、残債分の負担が増してしまうので時期を見て売却時期を考えた方が良い場合はあります。他には築年数が古くて瑕疵(欠陥)がある可能性が高い場合には、瑕疵担保責任がなくなる(不動産会社が買い取れば瑕疵担保責任がなくなる)買取の方が良いかもしれません。
まずはそれぞれのメリットデメリットを理解し、ご自身の置かれている状況に合わせて選択してください。

 

 

他の売却理由を調べる

引っ越し(転勤や親族の病気)が発生した場合はマンションをどうするか?売却に?賃貸に?

マンションを相続することになった場合は売却を検討?しっかりと対策が必要

「買い替え」の際のマンション売却は計画的に行う必要がある

新着情報

新着業者情報