投資マンション売却で高い授業料を払った【売却体験インタビュー】

マンション購入のきっかけは投資マンションの電話営業

 

ー「吉田さんは、今回不動産投資で失敗したというお話をしていただけるということですが、不動産投資を始めたきっかけから話していただけますか?」
「ある日、自宅に電話が掛かってきたんです、不動産投資をしないかって。以前から、不動産投資にはちょっと興味が有ったんです。うちの夫婦は子供がいなくて、父の所有する実家に同居していたので、ある程度の預金はあったんですよ。電話をかけてきたのは女性だったんですが、次の日曜日に不動産投資のセミナーがあるから参加しませんかって。興味が有ったんで、二つ返事ではいって返事しちゃったんです。でもそれが、そもそも間違いだったのかなと思ってます。」

 

ー「どうして間違いと?」
「話がうますぎたんですよ、頭金ゼロでも投資用物件が買えるとか、10%くらいの利回りも夢じゃないとか」

不動産投資セミナーに参加

「で、セミナーはどうされたんです?」
「参加しましたよ。電話をかけてきたのはAという会社で、聞いたことの無い会社だったんですが、会場は人が一杯で、活気がありましたね。まず、株やFXのようなリスクの高い投資じゃなくて、堅実な不動産投資を勧めますっていうような話が30分くらい有って、そのあと別の人が不動産投資のメリットを繰り返して、最後に具体的な話をしました。頭金が用意できない人は0でも構わないが、頭金が多ければ、ローンも通りやすいし利益も出る。いま、投資用マンションは人気があるので、早く申し込んだ人ほどいい物件が買える。そのあと、質疑応答と希望者には個人面談がありました。ちょうど、アベノミクスだってテレビが騒いでる頃で、投資にはいい時期かもしれないと思っていたので、個人面談も受けました。」

 

ー「個人面談はどうでした?」
「しつこく勧誘されるのかなとちょっと心配だったんですが、意外とあっさりしていて、今投資しないと損しますよ、それだけのことですって言われましたね。確かにその通りだと思ったんで、必要な書類なんかを一通り全部もらって、契約までの流れを教えてもらいました。契約に必要な書類は1週間で全部集めました。」

 

ー「勧誘されたけど、吉田さんのほうが積極的だったんですね」
「そうですね(苦笑)。周りがアッベノミクスとかって騒いでましたから、この波に乗り遅れたらいけないと思ったんですよ。」
ー「それで、投資用のマンションを購入されたわけですね」
「はい、必要な書類を集めてすぐに担当者の所へ持っていき、銀行の与信にかけてもらいました。与信は意外とあっさり通り、すぐ契約になりました。」

不動産投資を開始

ー「吉田さんは、投資用マンションのオーナーになったわけですね」
「そういう言い方をすると聞こえはいいですが、私の場合はさんざんでしたから。最初の3ヶ月くらいは入居者が決まらなくて、マンションのローンの支払いだけしていました。それに、入居が決まっても、わりとすぐにでていく人が多くて、空室の期間が結構ありましたね。」

 

空室の発生などで儲からない状況が続き、マンション売却を決断

ー「それでは、マンションからの収益はあまりなかったんですか?」
「入居者がいるときは、賃料でローンが払えましたが、入居者がいないときは預金からローンの返済と、A社に管理費を払っていましたね。それから3年経っても、ちっとも儲からないんですよ。それでいっそマンションを手放そうかと思うようになったんです。ためしに、違う不動産会社にマンションの査定を頼んでみたんです。5~6社ほどに査定を頼んでみたのですが、どこの不動産会社に行っても、ローンの残債を払えるだけの査定額は出てきませんでした。」

参考:マンションを売却したいと思ったら、まずは査定。その方法とポイントを押さえる
ー「それで、どうされたんですか?」
「思い切って、A社に言ってみたんですよ、マンションを売りたいって。そうしたら、今はマンションを出たり入ったりする人にあたって、ちょっと運が悪いだけですよって。もう少し我慢すれば、きっと利益が出るようになりますって、マンション売却を思いとどまるよう説得されてしまいました。でも、しばらく考えて、やはり売ることにしたんです。どうしても、マンションを売るってA社に言いました。最初は、やはり思いとどまるようにって説得されたんですけど、私はもう売ると決めていたんで、相手が根負けして、じゃあ売りましょうって。売却すると、ローンの残債がちょうど無くなる金額で売りに出すことに決まりました。」

マンション売却がスタート

ー「マンションを手放すことに決めたわけですね」
「そうです、ほとんど赤字の月ばかりで、負担ばかりでしたからね。どうしてもこの先利益が出るとは思えなくて、売ることにしたんです。A社の提示した価格で売れたらローンの残債もなくなりスッキリすると思ったんです。でも、A社の提示した価格では売れなかったんですよね。3ヶ月経っても、問い合わせも無いような状態だったみたいです。」
ー「すぐには売れなかったんですね」
「そうなんです。しかも、その間に入居者が出ていって空室になっちゃったんです。
そのうえ、入居者の再募集にあたって、賃料を下げないと人が入らないってA社が言ってきたんです。踏んだり蹴ったりですよ。」

参考:売却が難しいマンションとはどんなマンションなのか?

依頼する業者を変更すると状況に変化が発生

ー「それで、賃料をさげたんですか」
「いえ、これはもうA社に任せられないと思って、他の不動産会社にマンションの売却を頼むことにしました。苦労しましたがA社には専任媒介契約を解除してもらってB社にマンションの仲介を頼みました。B社は以前に査定をしてもらった会社のひとつで、担当の人が信頼できそうな人だったのでB社に決めました。」
ー「B社に仲介を頼んだわけですね。価格はどうされたんですか」
「以前B社が査定した金額です。その価格ではマンションが売れても、ローンの残債が残ってしまうので、ローン返済の不足分は預金を取り崩すことにしました。抵当権を消さないと売れないので苦渋の決断でしたね。」
ー「それで、B社の査定額で売れましたか?」
「はい、あっけないほど簡単に買い手が決まりました。やはりA社が売り出していた金額は高すぎたみたいですね。」
ー「投資用マンションを買ったけれど、結局売りに出したわけですね。」
「そうですね、結局私の預金が減っただけでしたね。セミナーではあんなに上手いこと言ってたのに、実際は全く違いました。自分でよく勉強せずセミナーの話を鵜呑みにしちゃった私がよくなかったんですよ。今思い出すと、セミナーでは不動産投資のいいことばかりで、リスクの話は全然無かったように思います。今回の失敗は私の勉強不足でした。もうちょっと自分でも勉強しておけばって、後悔しています。高い授業料を払いました。」

マンションの売却を通してわかること

今回、吉田さんは不動産投資の勉強をしないまま、A社のセミナーに行き、勢いでそのまま投資用マンションを購入したわけです。セミナーでは投資用マンションのリスクについての話はなく、甘い話ばかりでした。少し冷静になって、不動産投資のリスクを勉強していれば、こういう事態にはならなかったのかもしれません。業者が開催するセミナーというのは、いいことばかり言って、リスクについての説明がない事もあります。吉田さんは、不動産投資の知識が無かったので、A社の言うままだったわけです。結果的に吉田さんは高い授業料を払ってしまいました。不動産投資にはリスクもあるのです。不動産投資の際にはしっかり勉強して、リスクもあるということを知ってください。

 

注:こちらの売却体験談はスマート買取の体験談ではなく、マンション売買のご経験者にお伺いした内容です。

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