【売却体験談】マンション購入時の価格は売却価格に関係ない
私は、30代前半の男性です。私が都内のマンションを売却した経験をお話しします。
結婚を控えマンション購入
1年ほど前、私は結婚を控え、新居を探していました。理想は、都内で、駅近、勤務先に近く通勤時間がかからないこと、広さは3LDK以上でした。ただ、予算もあるので理想通りの物件を見つけるのは難しく、通勤時間は妥協せざるを得ず、駅近の新築3LDKを購入しました。周りの環境もよく、婚約している女性もそのマンションを気に入っていました。マンションはまだ工事中で、入居できるのは1ヶ月後。どんな家具にしようか、どんなカーテンにしようかと新居になるはずのマンションの完成に夢は膨らんでいました。
マンションへの入居を前に結婚が破談に
マンションを購入して、まだマンションの工事も終わっておらず、入居もしていない時でした。突然、婚約していた女性から別れ話が出ました。理由はよく分からないのですが、とにかく私とは別れる、結婚もしないということでした。結婚式の段取りも終わり、新居としてマンションも購入したばかりです。何故なのか彼女に問いただしましたが、はっきりしたことは言わず、ただ、気持ちが離れたとのことでした。私は納得がいきませんでしたが、どうしても別れると言っているのに無理矢理結婚することも出来ず、結婚は破談となりました。結婚間近のことで、私はドタバタしましたが、まだ結婚式の案内状を出していなかったことだけは、不幸中の幸いだと思いました。
購入したマンションはすぐに売ることにした
結婚する予定で購入したマンションをどうするかも悩みました。まだ、家具も運び込んで居らず、未入居です。しかし、一人で住むには広すぎ、次に結婚したいという女性が現れたとき、こんないわく付きのマンションを持っていては良くないと思い、売却することにしました。同じマンションを購入した他の人たちは次々と家具や荷物を運び込み新しい生活を始めていましたが、私の買った部屋は新築未入居だから、買った値段で売れるだろうと思ったことも売却を決めた理由のひとつです。
不動産会社に査定を依頼
私は不動産会社にとりあえず査定を申し込みました。当然、購入金額と同じ価格で売れると思っていたのですが、査定額は、購入金額より1割ほど低い価格でした。予想外の査定に、不動産会社に何故かとたずねました。不動産会社によると、新築マンションで未入居とはいえ、近隣のマンション価格の相場が有り、新築で買った価格では売れないとのことでした。私は、納得できず、数社に査定を申し込みましたが、どの会社も同じような査定でした。新築で、未入居なのに、なぜ値段が下がるのか、私は納得がいきませんでした。購入価格で売れたとしても、購入時の諸費用や売却時の仲介手数料は私の負担で、損をするというのに、購入価格より低い価格でないと売れないというのですから。
参考:マンションを売却したいと思ったら、まずは査定。その方法とポイントを押さえる
購入金額で売りに出すことにした
納得がいかない私は、最も高い査定をした不動産会社に、マンション購入額と同じ額での売り出しは出来ないものかと相談しました。不動産会社の返事はあまりよいものではありませんでした。売り出す価格は、売り主さんの自由だが、その額では売れないだろうということでした。しかし、私も、新築未入居なんだからと食い下がり、その不動産会社の仲介で、購入した金額で売り出す事になりました。不動産会社からは、この価格で売れるとは思わないでくださいよと、何度も釘を刺されましたが、わたしは、購入価格で売ることに固執しました。
売却活動開始
マンションは購入した金額で売り出したのですが、不動産会社の言うように反響はよくありません。新築未入居なので、マンションの鍵は不動産会社に預けていたので、何人くらいが内見したのかわかりませんが、購入したいという人は現れません。私は、新築未入居なのに何故売れないのかという思いだけでした。不動産会社が言うには、新築のマンション価格というのは、一般に周辺のマンション価格の相場より高く設定されており、いわばプレミアがついた価格とでも言っていいもので、私のマンションは新築でも現状では中古。新築のプレミアがついた購入時の価格では売れないということでした。
3ヶ月経ってもマンションは売れず
マンションを売り出してから、あっという間に3ヶ月が経ちました。その間、購入希望者は現れませんでした。不動産会社からは値下げをしましょうという提案がありましたが、新築未入居なんだからと、私は値下げを断り、引き続き購入した価格で販売を続けました。しかし、購入したマンションのローンの支払いも始まり、住んでいる賃貸の家賃と二重の負担で金銭的に楽ではありませんでした。できることなら早く売りたいと思っていましたが、やはりマンションを購入価格より安い価格で売ることには抵抗が有りました。
売り出しから5ヶ月 価格を下げると売れた
マンションを売り出してから5ヶ月が経ちました。マンションはまだ売れません。不動産会社からは、値下げしましょうと言われています。もうすぐ、売り出してから半年、今の価格ではやはり売れないのだろうか?それとも、もしかして不動産会社が今の価格では売らないようにしているのだろうか?いや、不動産会社も高く売れた方が手数料は多いはず、高く売って損は無いはずだと、一人自問自答していました。そして、不動産会社から再度の値下げの提案がありました。
このままではマンションは永久に売れないのではないかと思い始めていた私は、値下げの提案に応じることにしました。価格は、マンション購入の際の金額より1割ほど安い金額でした。この価格で売れても、私は購入時の諸費用、売却時の仲介手数料を負担しなければならず、ローンの残債についても預金を切り崩さないと銀行の抵当権を消すことができません。しかし、いつまでも売れない価格で売りに出していても仕方が無く、値下げした価格でいいから早く売れて欲しいという思いでした。マンションの売り出し価格を下げた反響はすぐに有り、購入希望者が現れました。私はその人にマンションを売ることにしました。
マンションの売却を体験して感じたこと
私は、今回マンションを売却したわけですが、新築未入居ということで、購入した価格で販売することに固執していました。マンションを購入したときの諸費用、売却するときの仲介手数料を考えれば、購入価格より高く売りたいくらいでした。しかし、それは幾らなんでも無理ということは、素人の私でも分かります。ですから現実的な価格として、マンション購入時の価格で売ろうとしたのですが、周辺のマンションの販売価格の相場から査定すると、新築未入居であってもマンション購入時の価格では売れないというのが不動産会社の査定結果でした。しかし、私は新築未入居なんだから、新築で購入した価格で売れるだろうと思い、その購入した価格に固執しました。結果は、不動産業者の査定の方が正しかったようです。
新築のマンションの売り出し価格というのは、周辺のマンションの相場より少し高く、プレミアとでもいうべき価格の場合があるということは全く知りませんでした。そのため、新築マンションを購入した金額にこだわった私は、マンション売却に時間がかかってしまいました。今から思えば、不動産業者はやはりプロだけあって、その査定は正しかったんだなと思っています。不動産業者のいうことに耳を傾け、不動産会社の査定で売り出していればもっとスムーズにマンションを売却できたのかと思うと、マンションを売却する際に、マンション購入時の価格にこだわったことが、悔やまれます。
注:こちらの売却体験談はスマート買取の体験談ではなく、マンション売買のご経験者にお伺いした内容です。
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