【売却体験談】仲介で売るのが大変そうな築古マンション。買取でスムーズに売却出来ました。

私は70代女性、現在は夫に先立たれて一人暮らしです。私が子供の誕生に合わせて購入したマイホームを手放して賃貸に住み替えるまでの体験をお話ししたいと思います。

マンションを売る理由

私たち夫婦は一男一女をもうけ、東京都内に３LDKのマンションを購入していました。幸い、夫の会社は大手で安定していたため、子供たちの高校や大学の教育費を支払いながらもそこまで生活が苦しくなることもなく、銀行との契約とおりにローンを払い終えることができました。

長男は就職、結婚もしていますが転勤族なので、将来的にこのマンションに住んでもらえる保障もないですし、私も今どきのお嫁さんに同居してもらおうなどということも考えていません。長女は嫁いだ後、結婚相手の仕事の都合で大阪に住むことになり、なおさらマンションを継ぐことは不可能な状態でした。ですから、残しておいたとしても子供たちが処分に困ると思ったのです。

それに、子供たちが巣立った後の家はとても広く感じ、歳を取るにつれて掃除の負担なども感じるようになってきたため、もう少しコンパクトな家でも良いのではないかと考えるようになりました。

夫の死をきっかけに売却を本気で考える

いつか売ろう、売ろうと思いながらやはり夫も私もマンションへの愛着もあり、行動に移せずにいました。しかし、私がいよいよ腰を上げるきっかけになったのが夫の急逝でした。

典型的な高度成長期のサラリーマンだった夫は接待でお酒の席も多かったですし、タバコもやめられませんでした。70歳を過ぎて段々と肺が悪くなってきて医者からもらった薬を常用するようになっていたのですが、75歳になった春に急に胸が痛いといって入院し、わずか３ヶ月ほどの闘病生活を経て亡くなってしまいました。

しばらくは葬儀や通夜、49日法要など何も考える暇もないほど慌しかったのですが、少し落ち着いてくるとやはり急に寂しさがつのってきました。２人で住んでいても広いマンションは、１人暮らしではなおさら持て余してしまいます。そして、５階ですのでエレベーターが故障などした時は本当に買い物にも困ってしまいます。いよいよ本気で売り時が来たと考えるようになりました。

参考：マンションを売却する理由別対策

不動産業者に相談に行った

売るためにはまずどうしたらよいのかわからず、やはり最初は不動産屋さんなのではないかと思い、最寄り駅の近くにあった業者さんに相談に行ってみました。

私の中では、子供たちの状況も考えて次は賃貸だろうと思っていましたが、念のため担当の方にどちらが良いのだろうかと相談を持ちかけてみました。持ち家を売却する場合、もし買い替えとなるとタイミングが難しいそうです。買う方を先行すれば購入資金の問題や、なかなか売れない場合の不安があるということ、売る方を先行すれば、もし売れた場合に自分の購入物件が決まるまで仮住まいを準備しなければならないので出費が多くなるということでした。そのような話を聞いて、やはり自分が考えていた通り賃貸でいくのが良いだろうという結論になったのです。

次を賃貸にすると確定しているのであれば、売れてから物件を決めてもよいのではというアドバイスもいただきました。私が次の住処にしようと思っているのは急行電車が停まる駅の近くという条件だったので、物件数も割りと豊富で探すのには困らないだろうということでした。夫が仕事を頑張ってくれたこと、私の方も実家から相続した財産があったため、預貯金の残高には余裕がありました。ですから、そこまで高く売らなければならないという切迫感もありませんでしたし、本当に良い方に買い取っていただけたらとそれだけを考えておりました。

参考：マンションの売却(買取)を依頼した場合の流れを理解しよう

業者の「買取」をすすめられ決断

持ち家を売る時は、仲介業者さんに手伝ってもらってチラシやインターネット、店頭で物件の情報を見た一般の方に買ってもらう方法しかないと思っていました。しかし、我が家の場合は業者さんによる買取を検討してもよいのではないかということでした。

なぜなら、やはり築年数がかなり経っているため、大掛かりにリフォームしなければ一般の買い手はつきにくいそうです。築30年を超えているマンションですから、そう言われれば確かに納得です。

それに、一般のお客さんに売るとなると希望した人が出る都度、内覧をさせなければならないということでした。千万単位の高い買い物ですから、買おうとする人は当然隅々まで見なければ決められないというのは当たり前のことだと思います。しかし、いつもきちんと掃除が行き届いた状態にし、部屋を広く見せる工夫などしなければならないことを考えると、高齢者の自分にとっては負担に感じるのではないかという心配もありました。

業者さんの買取であれば不動産屋さんに一度部屋を見せればそれで済みますし、リフォームも自分でしなくて良いということでした。ただ、業者さん側が買った物件をリフォームして売り出さなければならないのでその分一般の人に売った場合よりも２、３割安くなってしまうとのことでした。うちの場合は幸いにもそこまで高く売らなければならないわけではありませんでしたから、買取はまさに向いている方法なのではないかと思い、そちらでお願いすることにしました。

参考：マンション買取の仕組み

買取時期を選べたことで身体的な負担も少なくなった

私はあまり引越しに慣れていないこともあり、荷造りなどの準備も手際が良くありません。そして年寄りですから、あまり暑い時期ではバテてしまう、あまり寒い時期では足腰が痛くなるなどの心配もありました。私の希望ばかりそんなに色々言っても先方の都合もあるし・・と思っていたのですが、業者さんの買取であればそのあたりは融通が利くようです。ありがたいことに私の希望通りに暑さがやわらいできた秋に買取時期を設定していただくことができ、おかげさまで荷物の整理、処分も予想よりはかどったと思います。一般の方を相手に売ろうとすれば先方の住み替えの都合や、ローンがおりる時期の都合もあるため、売主の都合ばかり言うこともできなかっただろうということでした。正直、住み替えとはもっともっと大変なものかと思っていたのですが、買取後の住処となる賃貸もスムーズに決まりました。

マンションを買取で売却して感じたこと

後から知ったのですが、業者さんの買取の場合は仲介の手数料を取られないこともあるそうです。私は当然にかかるものだと思っていたので普通にお支払いしたのですが、請求されないケースがあると知って、最初に説明しておいてくれたら・・という気持ちにはなりました。

でも、担当の方はとてもよく動いてくれましたし、手数料以外の説明は本当にわかりやすいものだったので満足しています。書類などの関係も手伝っていただいたのですが、非常に手際が良いことに感心させられました。たぶん、自分一人では買取のことなども知らなかったのですからもっと手続きが大変だったはずであり、それを楽にしてもらった分のお礼ということで納得しています。

実家を売るということで最初は遠方の息子と娘もこんな古いマンションが売れるのか、そして母親一人で手続きなどが大丈夫だろうかと心配していましたが、無事に売れたと報告したら安心してくれました。もしマンションを残していたら、将来的に彼らにこの手続きの負担を負わせることになっていましたから、私の代で早く終えられて本当に良かったと思っています。

参考：不動産を売る時は仲介が主役？なぜ買取は一般的なイメージがない？

注：こちらの売却体験談はスマート買取の体験談ではなく、マンション売買のご経験者にお伺いした内容です。