【売却体験談】値下げをしないことで他のマンションの引き立て役になっていた
私は40代男性、会社員です。私がマンションを売却したときの体験をお話しします。
子供の成長にともない大きなマンションへの買い替えを決める
私が所有していたマンションは、中央線、駅近くの2LDKのマンションでした。新宿まで15分の距離で、通勤は楽でした。マンションの近くには、スーパー、商店街もあり生活するのにも便利な立地でした。このマンションで、妻と、2人の娘と暮らしていたのですが、子供の成長にともない、2LDKのマンションでは手狭になってきました。小学校低学年までは1つの部屋で、2人仲良くやっていた娘たちも、そろそろ自分の部屋が欲しいと言い出しました。しかし、マンションは2LDK、もう一つの部屋は私たち夫婦の寝室です。子供たちの部屋をパーテーションで分けることも考えましたが、子供たちが親元を離れて出ていくまでには、まだしばらく時間があります。広さ以外にはなんの不満もないマンションでしたが、私たち夫婦は話しあって、マンションを買い換えることにしました。
参考:「買い替え」の際のマンション売却は計画的に行う必要がある
まずは今のマンションを売却から
マンションを売却して、新しいマンションを購入するわけですが、住んでいるマンションを売却したお金で、残っている住宅ローンを精算し、なおかつ、新しいマンションの購入資金に充てたいというのが私たち夫婦の希望でした。マンションは駅近で立地もよいので、ローンを精算し、新しいマンションの購入資金に充てることは十分可能な希望だと思っていました。
複数の不動産会社に査定を依頼
私たちは、数社の不動産会社に査定を申し込みました。ところが、査定額は私たちが思っていたよりも低く、住宅ローンを精算し、新しいマンションの購入資金に充てるだけのことが出来る金額の査定は1社だけで、他の会社は残った住宅ローンを精算するのがやっとの金額でした。築年数こそある程度経っているものの、新宿から15分、駅近のマンションなのに、意外と評価が低いんだなというのがその時の正直な気持ちでした。
一番高い査定金額の業者に売却を依頼
私たちは、一番高い査定をつけた不動産会社に仲介をお願いしました。マンションが希望通りの価格で売れるだろうかと少し心配でしたが、マンションを売りに出してすぐ内見の希望があり、心配は杞憂だったかなと思いました。内見に来たのは、私たちと同じくらいの年代のご夫婦でした。奥さんは「水回りの使い勝手が良さそうですね。」と私たちのマンションを気に入った様子でした。ご主人も「駅も近いし、商店街も近くて便利なところですね。」とマンションを評価してくれました。このご夫婦は、マンション購入には至りませんでしたが、マンションを評価してくれたことで、私たち夫婦はきっと希望価格で売れるだろうと思いました。しかし、その後も内見する人はいるものの、購入には至りませんでした。
1ヶ月後 内見があることに安堵する
マンションを売りに出してから、1ヶ月が経ちました。内見はあるものの、マンション購入に至る人はいません。内見があるから、そのうち売れるのだろうと思っていたら、不動産会社から連絡がありました。売り出し価格の値下げの提案でした。マンションの立地はよく、内見もこれだけあるのに、なぜ値下げなのだろうと疑問に思いました。不動産会社の説明では、価格が少し高いとのこと。たしかに、内見が有るのに売れないということは、価格が高いのかもしれないと思ったのですが、内見がないのならともかく、内見が有るのだから今の価格で売れるだろう、それに、売り出し価格を下げると、残っている住宅ローンの精算は出来ても、新しいマンションの購入資金が無くなってしまうということもあり、値下げを断りました。
2ヶ月後 ハウスクリーニングを行う
マンションを売りに出して2ヶ月が経ちましたが、マンションは売れていません。内見する人はいるのですが、購入に至る人がいません。内見する人がこれだけいるのに、なぜ買うという人がいないのかと不思議に思うようになりました。内見したときに、なにか問題があるのだろうかとも思うようになりました。すぐに思いついたのはハウスクリーニングです。売却を頼んでいる不動産会社に、ハウスクリーニングをいれるというのはどんなものだろうかと相談しました。不動産会社の返事は、入れないよりは入れた方が間違いなくよいというものでしたが、同時に値下げをしないかとも言われました。値下げについては考えてみると返事をし、不動産会社にハウスクリーニングの業者を紹介してもらい、水回りを中心にハウスクリーニングを入れることにしました。3日後、ハウスクリーニングの業者がやってきました。やってきたのは3人でしたが、業務用の洗剤やいろいろなブラシ、換気扇の油汚れを落とす機械など持ってきました。作業は3時間ほどでしたが、水回りは見違えるように綺麗になりました。これで、内見する人の印象も変わるだろうと、私たちは思いました。そして、これで売れるのではないかとも思いました。しかし、私たちが思うようには、ことは進みませんでした。
参考:マンションの売却を成功するために行う内覧時のコツとポイント
3ヶ月後 売却が決定
3ヶ月経っても、私たちのマンションは売れていませんでした。不動産会社からは値下げするようにいわれているのですが、内見者は多いのです。内見者は多いのに、なぜか売れないのです。私たちは不思議でたまりません。ハウスクリーニングもして、水回りは見違えるように綺麗になって、内見者の印象もいいはず。それなのに、何故か売れないのです。
私たちは、内見に来る人や、内見する人を連れてくる不動産会社の人を観察してみることにしました。ひとつ気づいたのは、内見は決まって午前中の早い時間か、午後の早い時間が多いことです。マンションを売り出したばかりの頃は、いろいろな時間に内見があったのですが、最近は内見の時間が偏っています。どういうことだろうと考えたのですが、私たちには分かりませんでした。しかし、内見の時間帯が最初の頃と違うのは確かです。内見の人を連れてくる不動産会社の人を観察していて気がついたことがもうひとつ、どの人も、かならず「次を見に行きましょう」と、言っている様子なのです。じっくりと内見をするというより、とりあえず見て下さいとでもいわんばかりの感じなのです。内見している人に、あなたたちにはここの物件もとりあえず見てもらったけど、この物件は買わないでしょ、だから次を見ましょうと、無言で語りかけているような気すらしました。この事態に、高校時代の友人が不動産関係の仕事をしているのを思いだした私は、その彼に状況を説明しどういうことか聞いてみました。彼が言うには、「業界でまわしっていうんだけど、条件が悪いとか、価格が高い物件を最初に見せて、最後に本命の物件を見せるんだよ。要はほかの物件の引き立て役に使われてるんだよ。価格が高いとか、条件が悪いとか思い当たること無い?」そういえば、不動産会社が再三にわたって値下げするように言ってきています。
私たち夫婦の疑問は解消しました。私たちが値下げしないので、私たちのマンションは、いつの間にか他の物件の引き立て役に使われていたようです。私たちは不動産会社からの値下げの提案を受け入れました。その後、内見する人が少し減ったのですが、マンションを買いたいという人がすぐに現れました。
マンションの売却を体験して感じたこと
はじめは、マンションを買いたいという人が内見していたはずなのに、値下げしないでいたら、私たちのマンションは、いつのまにか他の物件の引き立て役にされてしまっていました。内見者が多いので安心していたのですが、まさかこんなことになっていたとは思いもしませんでした。不動産会社の提案に従って、早い段階で値下げをしていればこんなことにはならなかったのでしょう。不動産会社の言うとおり、値下げをしていればよかったと後悔しています。
注:こちらの売却体験談はスマート買取の体験談ではなく、マンション売買のご経験者にお伺いした内容です。
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