【売却体験談】売出し価格の中途半端な値下げはマンションの早期売却につながらない
私は50代男性、転勤にともない、都内の3LDKのマンションを売却したときのお話をします。
所有していたマンションについて
私が住んでいたマンションは、京王線の駅から5分の3LDKのマンションでした。新宿までも15分と便利がよく、通勤も楽でした。マンション周辺の環境もよく、住みやすいマンションで、なんの不満もありませんでした。このマンションは、子供が生まれたのを機に購入しました。購入してから20年ほどになります。子供たちはランドセルを背負ってこのマンションから小学校に通っていたかと思えば、あっというまに成長しました。マンション購入当時は産まれて間もなかった子供たちは成人し、このマンションから巣立っていきました。
元々広かったマンションは、子供たちがいなくなり、私たち夫婦2人だけになるといっそう広く感じられました。子供たちがいなくなったことで、私たちの生活には張り合いが無くなり、妻も私も少し老け込んだような気がしていました。この先、妻と二人きりで、どんな生活をしていくのだろう。このマンションで妻とおだやかな老後を過ごすのだろうかと考えていました。そんな折、突然、会社から地方に転勤を命じられました。2~3年すれば東京に戻ってこられるという転勤ではなく、いつ東京に戻ってこられるか分からない転勤でした。2~3年で東京に戻ってこられる転勤なら、単身赴任も考えられましたが、東京にいつ戻ってこられるか分からない転勤なので、妻と一緒に引っ越すことにしました。そして私は、マンションをどうするかということが頭に浮かびました。駅にも近く、広くてなんの不満も無いマンションです。売却するのは惜しいのですが、いつ、東京に戻ってこられるか分からない転勤です。賃貸にして保有し続けるのも煩わしそうです。色々考えた結果、売却する方向で考えることにしました。駅にも近く、広いマンションです。周りの環境もよいので高く売れるだろうと考えていました。
参考:引っ越し(転勤や親族の病気)が発生した場合はマンションをどうするか?売却に?賃貸に?
売却を決意して査定を依頼
転勤まで少し時間があり、マンションを売り出すのは転勤してからと考えていましたが、マンションの査定だけは早めにしておこうと思いました。査定は3社の不動産会社に申し込みました。3社の不動産会社の営業マンがそれぞれやってきて、査定額を提示しました。3社の査定はバラバラな額でした。そのなかで、私のマンションの価値を正しく評価していると思われる、一番高い査定額の不動産会社に売却を依頼しました。他社の査定は低すぎ、マンションの価値を正しく評価しているとは思えません。少なくともその時点では、私はそう考えていました。
<参考>
マンションを売却したいと思ったら、まずは査定。その方法とポイントを押さえる
引っ越し~マンション売り出し
転勤のための引っ越しも終わり、私たちは赴任先で賃貸のマンションを借りての生活がスタートしました。勤務先に比較的近いマンションが見つかり、私は自転車で通勤することになりました。社員の多くはマイカー通勤です。東京にいた時とは全く違う生活です。満員電車に乗ることも無く、毎日自転車で通勤していると、それだけで心が晴れ晴れするような気がしました。子供たちがいなくなり、張り合いが無かった私たち夫婦の生活にも張り合いが戻ってきたような気がしました。
売出し開始
東京に残っているマンションもいよいよ売り出すことになりました。マンションは、広くて、駅にも近く、周りの環境もいいのですぐに売れるだろうと思っていました。しかし、マンションは簡単には売れませんでした。2ヶ月経ってもマンションは売れなかったのです。不動産会社は売り出し価格の値下げを提案してきました。なんと1割も価格を下げるようにというのです。確かに、2ヶ月経っても売れていませんが、内見者はいます。内見者すらいないのならまだしも、1割も価格を下げるなんて考えられません。広くて、駅にも近く条件のよいマンションです。何故そんなに価格を下げないといけないのかと不動産会社に訊ねました。不動産会社が言うには、中古マンションは、周辺のマンションの価格で値段が決まる、最近になって周辺でマンションが売りに出て、私のマンションは割高感がでてきた。早く売るためには値下げをした方がいい。値下げをするのにも、額とタイミングがあって、思い切って1割くらい安くしないと、買う方は安くなったと思わない、ということでした。
しかし、私は自分のマンションに自信もあり、また愛着も有って、そんなに値引きは出来ません。私は、10万円だけ値引きすると不動産会社に伝えました。こうして、私のマンションは10万円値下げすることになりました。
3ヶ月経っても売れない
マンションを売り出してから3ヶ月が経ちましたが、私のマンションはまだ売れていません。不動産会社からは、再度の値下げをするように言われています。しかし内見する人もいるようで、本当に値下げをしなければならないのだろうかと疑問に思っていました。しかし、マンションが売れていないのも事実で、そろそろ売れないと、マンションの残っているローンの支払いと、新しい住居の賃貸の支払いとで家計にも響きます。しかし、思い入れのあるマンションを急いで安く売ることはしたくありません。急いで売る必要は無いからと、今回も10万円だけ値下げすると不動産会社に伝えました。
4ヶ月経っても売れない
不動産会社が言うように割高感があるのでしょうか、私のマンションは2度値下げしたにもかかわらず、まだ売れていません。どうするべきか、再度不動産会社に訊ねてみました。不動産会社の答えは、やはり、価格を1割下げましょうというものでした。10万円の値下げを2回したが、それでは不十分かときくと、マンションの価格を10万下げても、ほとんど意味が無い。買う人の側からすれば、10万円の値下げは無いに等しい。10万円の値下げを2回しても3回しても、それはほとんど意味が無い。マンションの価格からしたら、10万円というのはほんのわずかの金額、値下げをするなら1割くらいの値下げをしないと、値下げにならないと、前回とほぼ同様の答えでした。不動産会社が言っているのも、もっともな話で、私が売ろうとしているのはマンション、10万や20万の値下げではたしかに値下げが無いに等しいかもしれない。
不動産会社の言うように思い切って1割値下げするべきなのだろうか。私はしばらく考えさせてくれと不動産会社に返事をしました。それから、2週間後、私は価格を1割下げると不動産会社に伝えました。思い入れのあるマンションを1割も値下げするのは、私としては苦渋の決断でした。
1割の値下げ後すぐにマンションが売れる
マンションを1割値下げして、1週間もしないうちに、マンションを買いたいという人が現れました。こうして、時間がかかりましたが、私のマンションは売れることになりました。
マンションの売却を通じて感じたこと
今回のマンション売却では、10万円の値下げを2回しましたが、それは意味の無いことだったようです。考えてみれば、マンションの価格に対して10万円の値下げでは、不動産会社が言うようにないに等しいような額です。マンションを10万円値下げしても、買う方からみれば、値下げしたようには見えないでしょう。不動産会社が言うには、値下げの時にはインパクトがないとダメだということ。たしかに10万円の値引きではインパクトが無いでしょう。高い値段にこだわって10万円の値下げでなく、早い段階で不動産会社に言われたように1割の値下げをしていれば、もっとスムーズにマンションは売却できただろうと思います。
注:こちらの売却体験談はスマート買取の体験談ではなく、マンション売買のご経験者にお伺いした内容です。
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